Schellong test(シェロンテスト)についてまとめてみた:①歴史

体液のバランスを評価することはいつも難しいですが、そのなかでしばしば使用されるSchellong test(シェロン「グ」ではなく、シェロンテスト)について共有します。

ちなみに、Dr. Fritz Schellongはドイツ出身の循環器専門医で、1938年に出版された本「Regulationsprüfung des Kreislaufs (Evaluation of the circulatory regulation)」のなかにシェロンテストの診察方法の詳細が記載されているとのことです(Clin Auton Res . 2019 Aug;29(4):363-366.)。

なかなか興味深いのは、もともとのSchellong testは、下記のように記載されていたということです。

①仰臥位での血圧・心拍数、起立後1分間隔での血圧・心拍数、
 再び横になってから1分間隔での血圧・心拍数を測定
②階段を上った直後とその後1分間隔で血圧と心拍数を測定
③上記②の際に、階段を上る前、直後、および1分間隔で
 心電図によるQRS間隔の測定
なかなかハードモードの診察ですね。。。

Schellongさんは、
①では末梢血管の神経支配による制御に関わる
②では血管の神経支配と心臓・循環器系の制御の両方に関わる
③では心臓の制御のみに関わる
と考えていたようで、それを全て評価するために①ー③までの診察を行っていたようです。

Schellongさんはこれらを使用することで、
・起立性収縮期血圧20mmHg以上の低下は異常
・拡張期血圧は起立性血圧調節障害にあまり寄与しない
・何よりも加齢が圧反射機能に大きく影響する

を、1938年の段階ですでに報告していました。すごい。。。(Schellong F (1938) Regulationsprüfung des Kreislaufs. Theodor Steinkopff, Dresden und Leipzig:さすがに原著には当たれず)

今日では、心臓の固有機能と圧反射機能の両方を検査する、より洗練された方法がありますが、Schellong testは失神を含む心血管・自律神経機能障害が疑われる患者のベッドサイドスクリーニング検査として、患者の臨床状態が許す限り、いまだに推奨されてます。

ちなみに、ESC(欧州循環器学会)の失神の診断と管理に関する2018年ガイドライン(Eur Heart J . 2018 Jun 1;39(21):1883-1948.)によると、
・起立性低血圧による失神
・体位性頻脈症候群
(POTS:Postural orthostatic tachycardia syndrome)
については下記のような診断推奨が記載されています。

なんにせよ、
①収縮期BPが20mmHg以上、or
②拡張期BPが10mmHg以上低下、or
③収縮期BPが90mmHg未満に低下
の基準をうちだしたSchellongさんすげーっす。

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