医療の意思決定能力を把握し、急性期に緊急治療を提供するための語呂合わせ:CURVES

みなさま

カンファレンスで「食事摂取できないが点滴治療を固辞される患者さん」の症例提示がありました。ご家族は点滴を希望されています。しかしながら悩ましいのは、当該患者さんは会うたびにおっしゃることがコロコロ変わり、果たして妥当な判断能力があるのか不明な状況です。
こういう状況ではDecision making capacity(意思決定能力)があるかどうかを把握する必要があります。

把握するポイントは”CURVES”というmnemonics(語呂合わせ)で覚えます。(文献:Chest . 2010 Feb;137(2):421-7.

”CURV”まではdecision making capacity があるかどうか?
”ES”は緊急治療が患者同意なしに提供されうるか?
についての指摘です。

記載すると当たり前の内容なのですが、、、
・患者は治療選択肢について意思疎通ができるか?
・選択の結果として生じるリスク・ベネフィット・別の選択肢などについて理解できるか?
・選択の決定について患者が論理的に考え、論理的な理由を提示できるか?
・患者の価値観に基づいた決定になっているか?
ということを把握し、decision making capacityを把握します。
また、
・患者の幸福に対して重篤で緊急なリスクがあるか?
・他の代替選択肢の提示は可能か?
などを把握できると良いと思います。
患者さんと実際お話ししてみた僕の印象としては、CURVについてご本人のdecision making capacityは厳しそうな印象でした。ご家族とともに「ご本人が元気だった時に、延命治療についてどう考えると想像できるか」について話し合い、代理決定を促すと思います。その際にはESについても理解いただき、それらを踏まえた方略を提案すべきかと思いました。
いつもなかなか難しい問題ではありますが、一助になれば幸いです。
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