CPPD update 2021(治療)まとめてみた

みなさま
「CPPDの治療」に関して
・NEJM2016の総説と
・2011年のEULAR recommendation(古いですが)と、
・生物学的使用に関連したsystematic review(Clin Exp Rheumatol . Sep-Oct 2020;38(5):1001-1007.  )
・Nature reviewの総説(Nat Rev Rheumatol . 2018 Oct;14(10):592-602.)

などから記載します。
とはいえ、治療戦略はとてもシンプルです。NEJMがとても明瞭に記載してくれています(N Engl J Med 2016;374:2575-84. 佐田翻訳)。
NEJM2016はコルヒチン推しですが、特にコルヒチンが絶対いいわけではありません。EULAR recommendation2011だと、確かにコルヒチンとNSAIDsは並列とされていますがステロイドは代替治療として記載されています。あと、湿布や安静についても記載されています(あたりまえだけれど)。ただし古いガイドラインなので、Biologicsについての記載はありません(Ann Rheum Dis . 2011 Apr;70(4):571-5. 佐田翻訳)。

ちなみにこのなかの「Strength of recommendation」はguidelineを構築するパネルが意見を出し合い、推奨度合いを数値化したものです。今回はVisual analog scaleで構築しているので、平易に言えば100点満点中どの程度推奨できるかを表現した数値です。
CPPDの関節内では下記のようなCascadeが働いています(Nat Rev Rheumatol . 2018 Oct;14(10):592-602.)。マクロファージがCPPを細胞内基質に取り込むと、reactive oxygen species(ROS)productionが賛成され、それがインフラマゾームを形成します。それがCaspase-Iを介してIL-1βを刺激し、内皮細胞を刺激し、好中球を誘導してサイトカインやケモカインを発動します。BiologicsのIL-1β阻害薬(Anakinra)が有効とされます。この薬剤はIL-1βを阻害します。
IL-1β阻害薬についてのsystematic reviewについては、あくまで報告バイアス(効果があるものばかりが報告され、効果をoverestimateする可能性)を考えないといけないのと、症例が少ないのが難点ですが、
Acute CPP crystal arthritisで80.6%
Chronic CPP crystal arthritisで42.9%
の効果が報告されています(Clin Exp Rheumatol . Sep-Oct 2020;38(5):1001-1007.)。
まとめると
・CPPDは病態別に分類しよう!
・CPPDは発症率が高いが、診断はまだまだ曖昧
・治療はまず関節内ステロイド!それでだめならコルヒチン・NSAIDs・ステロイド全身投与!
・アナキンラは効果があるかもしれない(が、まだ日本では適応なし)
以上です!
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